順列は「順に並べる」だけでいい?図で直感的に理解しよう
順列のおさらい
教科書では、順列の定義は、「いくつかのものから何個かを選んで順番に並べる」とありますが、いざ説明の段階になると、1番目、2番目、・・・と言うふうに順に並べて、積の法則を用いて、あるいは樹形図を用いて、解説されます。
前回は、「選んで並べる」と「順に並べる」ことが、数式の上で一致することを確認してしました。(前回のコラムを見ていない方はこちら:数式でわかる順列の定義)
今回はその前回の続きとして、図や具体例を使って「選んで並べる」と「順に並べる」の関係を直感的に確認してみましょう。
◆ 具体例:4人から2人を順に並べる
たとえば、Aさん、Bさん、Cさん、Dさんの4人の中から順に2人を選びます。その際に最初に選ばれた人を1番、次に選ばれた人を2番と順番をつけます。
- 1番目は、4人の中から誰でも選べるので、4通り。
- 2番目は、1番目で選ばれた人以外の3人から選べるので、3通り。
よって、積の法則より、4 × 3 = 12通りとなります。
◆「選んでから並べる」と比べる
では次に、4人から2人を選んでおいて、その後でその2人の順番を決めるとどうでしょうか?
- まず、4人から2人を選ぶと、AB、AC、AD、BC、BD、CD の6通りの選び方ができます。
- 次にその選ばれた2人の順番を決めます。これはAさんとBさんの場合には、ABとBAの 2通りとなります。
そして、これは最初に選んだ6つのグループに対しても言えますので、積の法則より、6 × 2 = 12通りとなります。
やっぱり同じ結果になります。先に2人を選んで(AB、AC、AD、BC、BD、CD)、そのあと並べても、やっぱり12通りになりました。
◆ 樹形図で確認する
以下の樹形図を見てください。

これを見ると、最初から順に選ぶだけで、必要な組合せがすべて出てくることがわかります。
◆ 今日のQ&A
なぜ積の法則だけで順列が求められるのですか?
1番目、2番目と順に選ぶことで、選ぶ作業と並べる作業を同時に行っているからです。具体例や図を使うと直感的に理解しやすくなります。
樹形図で順列を確認できますか?
はい。例えば4人から2人を並べる場合、樹形図を使えば、すべての並び方が視覚的に確認できます。順に並べるだけで、必要な組合せがすべて出てきます。
まとめ ▶▶▶ 順列は、順に並べると考え、樹形図をイメージしよう
- 順列は、「順に並べる」だけでOK。
- 「選んでから並べる」と同じことをしている。
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