プロテジェ効果とは？教えることで自分の理解が深まる驚きの学習法

• 記憶の定着率が向上する： 人に説明することを前提に学ぶと、単に読む・聞くだけの学習よりも記憶の残り方が格段に上がります。
• 構造化して理解できる： 教えるためには、自分が一度情報を整理・再構築する必要があります。 そのプロセスが「本質的理解」につながります。
• 誤解に気づきやすい： 教えようとしたときに「説明できない」部分は、自分が曖昧にしていた箇所です。 教えることで、自分の理解の穴に気づくことができます。

数学のように、論理の積み重ねと言語化スキルが求められる分野では、プロテジェ効果は非常に有効です。

• 子どもに数学を教えるために学び直す親：自分では理解していたつもりでも、子どもに説明しようとすると「どう説明すれば伝わるか」を深く考えるようになります。
• 塾講師として学び直す社会人：講師として教える中で、「公式の意味」「定義の大切さ」に気づき、学生時代には得られなかった論理的思考力を獲得するケースも。
• 自習で擬似的に教える：紙に説明を書き出したり、空想の相手に解説したりすることで、自習の質を飛躍的に高めることも可能です。

私自身が体験したプロテジェ効果

私がプロテジェ効果を最初に強く実感したのは、大学院時代のゼミ発表のときでした。発表に向けて、レジュメを作成し、その内容を空で言えるほどに準備をして臨んだにもかかわらず、発表中に教授からの鋭いツッコミで、自分の理解が曖昧な部分が露呈しました。

ところが、その瞬間、頭の中にまったく新しい例がふと浮かび、それを口にしたことで自分の理解が一気に深まりました。まるで自分が聴講者として解説を聞いているような感覚の中で、「あぁ、そういうことだったのか」と納得しながら説明していたのです。

また、数学講師として教えていた際にも、生徒から予想外の質問を受けたとき、答えがまったく浮かんでいないにもかかわらず、話しながら考えているうちに「なるほど」と自分自身が納得しながら解説できた経験が何度もあります。

一人で黙々と考えているときには得られなかった理解が、いざ人に説明しようとする場面で突如進む──こうした経験は数えきれないほどあります。

もちろん、こうした理解の飛躍は、事前にある程度の準備や知識があってこそ起こるものです。ゼミではレジュメを完璧に頭に入れて臨み、講師時代も知識の蓄積があったからこそ、即興的な説明の中で新たな理解が生まれたのだと感じています。

このように「教える」という行為は、単に相手のためだけでなく、自分自身の思考を整理し、理解を深めるための強力な学びの手段であることを、私は何度も実感してきました。

数学本舗での受講者の実例

数学本舗には、「教える立場になることで自分が一番伸びた」という受講者が多くいます。

たとえば、もともと文系出身で数学に苦手意識があった社会人が、医学部再受験のために入会。 最初は医学部進学が目的でしたが、数学本舗で学ぶうちに数学の面白さに目覚め、後に大手塾の講師として活動するようになりました。講師として生徒に教えるようになると、それまで以上に論理力が飛躍的に向上しました。

他にも「教えることがこんなに学びになるとは思っていなかった」という声も少なくありません。